自作の復習ツール「trigger」の意味を定義し直すことによって、意外なほど大きな変化が起きるのではないかと言う話。

自作の復習ツール「trigger」の意味を定義し直すことによって、意外なほど大きな変化が起きるのではないかと言う話。

先日triggerというツールを改良しました。これについては、メルマガでも書いたので、ここでは繰り返しませんけど、簡単に言えば、自分にメールを定期的に送るツールですね。

しばらくその改良版を使っていて、これはなかなか良いと感じます。それは、 triggerの意味が少し変わってきているからです。

もともとは、triggerは復習のツールのつもりでした。自分が読んだ本のスクリーンショット撮って、自分に定期的にメールすることで、自分の記憶力を補おうということですね。勉強のため。読書のため。

でも、triggerを改良して思ったのは、これはもっとシンプルな「リマインダー」として有効じゃないかということです。

毎日生活をしていて、仕事の活動をしていて、様々なことを考えます。目先のことというと、語弊がありますが、目の前の片付けなければいけない作業を片付けることや、ちょっとした生活改善などの工夫をするのが好きです。

でもそういうのとは少し次元が違っていて、もっと長期的な「自分はこういう方向に活動進めていきたい」という気持ちやアイディアも浮かびます。

そのために毎週土曜日に「展望台に登る」という俯瞰する活動を行っていますが、それに関連したアイディアと言えなくはありません。

問題は、そういう、長期的な方針に関するアイディアというのはすぐに消えてしまいがちだということです。忘れてしまうとも言えます。

毎日やっていることならば、忘れることはありませんし、締め切りの活動は忘れては困ります。また、具体的なものははっきりと形になりますから、アイディアも実現させやすいですね。

けれども、長期的なことや、自分の方針のようなものは具体性もかけているし、すぐに何か成果物として現れるものでもないので、なかなか形を保つのが難しいのです。

そうすると、どうなるかというと、時々ふわふわっと「こういう風にしていきたいな」という気持ちは浮かぶんですけれど、それがなかなか形にならない。

ただ、「できたらいいな」や「こういう方向がいいな」ということを時々思い出すだけにとどまってしまいます。要するに、夢物語になってしまうということですね。

でも、もしも、「すぐに具体性を帯びるわけではないけれど、いつも意識して思い出すようにする」ならば、話は変わってきます。思い出しては消える夢物語ではなくて、いつも意識のどこかにとどまっているようにすることができるならば、話は随分違うんじゃないでしょうか。

ということで、リマインダーの話が出てきます。実はリマインダーはそういう目的で使ってる部分があります。聖書の言葉や、自分が意識したいことをリマインダーに入れて週に一回自分にリマインドするようにしています。

でも、リマインダーは、少なくともiPhoneのリマインダーはいささか「強すぎる」ですよね。了解しないと消えないとか、本当になんというか、バランスがいまひとつ良くないのです。

でも先日私が作った、そして改良したtriggerをリマインダーとして使うならばちょっと違います。

もともと、半分読み流すけれど、意識に留めるくらいの重みで作っているので、まさにさっきしゃべっていた「長期的なアイディア」みたいなものを意識にキープさせることに向いていると改めて気がついたのです。気がつくのがずいぶん遅いですけれど。

単に勉強のため、読書の補助ツールとしてのtriggerではなくて、長期的な自分のあり方や指針のようなものを導く手助けとなるツールになりそうな気がしています。

このようなアイディアは、先週(先々週だったかな)のメルマガで書いたtriggerの改良を行って初めて気がついたことです。triggerの改良を行って、そして今日、まさにこの土曜日の朝に展望台で、振り返りを行っているときに気がついたことです。

最近は記憶力がほんとにひどくて、すぐにいろんなことを忘れてしまうんですが、このトリガーをうまく使うことによって、その辺をひっくり返したいなと考えています。

2023-07-29 05:55:53 +0900

この文章は、音声入力を利用して結城浩のマストドンに投稿したものです。

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結城浩(ゆうき・ひろし) @hyuki


『数学ガール』作者。 結城メルマガWeb連載を毎週書いてます。 文章書きとプログラミングが好きなクリスチャン。2014年日本数学会出版賞受賞。

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