打ち合わせの前に準備をすることと、打ち合わせの後にまとめの書き物をすることについて

打ち合わせの前に準備をすることと、打ち合わせの後にまとめの書き物をすることについて

会社員をしていた頃に教えてもらって良かったなと思うことがたくさんありますけれど、その一つは議事録の話です。

現在私は1人で仕事をしていて、それでも打ち合わせの前には、資料の準備をしますし、打ち合わせが終わった後にはまとめの書物をします。それは必ずです。

厳密には議事録とはちょっと違っていて、私なりのアレンジをして、自分に必要な情報に絞って書いていますけれど、その細かいところは今はあまり話そうとしていなくて、ともかく、打ち合わせの前に準備をして、打ち合わせの後にまとめを書いておくというところを話しています。

どんなに簡単な打ち合わせでも、全く何の準備もしないで臨むことはほとんどありません。またまとめた結果を相手にメールするかどうかは別にして、そんな打ち合わせでも必ず終わった後にまとめの書物をします。自分のTo Doとか、次回の予定とか、気づいたことなど。

これは非常に良い習慣だと自分でも思っています。というのは、打ち合わせというのは、特別のイベントの1つであって、自分1人では作れない何かを醸し出すチャンスでもあるからです。

どんな人でも、話をしていて「自分1人ではこんなことを思い付かないな」と感じたり、「確かに自分はこういうことに関心があるけど、自分からこんな表現が出てくるとは思わなかった」と感じた経験があると思います。私が言う「自分1人では作れない何か」というのはそういうことです。

前もって準備をし、また終わってからまとめをするというのは、その大切なチャンスを有効活用するということです。

打ち合わせが終わった後は興奮状態になっているので、こんなすごいアイディアは絶対忘れることがないだろうなどと思うのですが、もちろん全くそんなことはありません。簡単に忘れますし、忘れないまでも肝心の部分が失われてしまうことがよくあります。そのためにはやはり打ち合わせ直後にまとめておくのが大切だと思います。

先ほど打ち合わせの準備の話をしましたけれど、準備をするのは大切ですが、それに縛られないような工夫も必要です。もしも準備した通りに全てが終わり、自分の予測通りに全てが終わったならば、実はその打ち合わせは入らなかった可能性がありますよね。

言い換えると、打ち合わせをしている途中で、自分が予測しなかった方向に何かが進んだときというのはむしろチャンスなのです。自分1人では得られなかった。何かが生まれるチャンスかもしれません。ですから、それを大切にしたいところですね。

たとえ自分が予定した内容から話がそれていったとしても、前もって準備をしていれば、また戻ってくることができますので、安心して少し脇道に進むことができます。その意味でも打ち合わせの前に前もって準備しておくのは大切だと言えるでしょう。

さらに、打ち合わせ前の準備と、打ち合わせ後のまとめはつながっているともいえます。多くの場合、打ち合わせは1階で終わることはなくて、複数回繰り返すことになるからです。

打ち合わせの準備では、前回の打ち合わせのまとめに目を通しておくのがとても大切です。それは一つ一つの打ち合わせを手に留めるのではなくて、きちんとつないで1本の線にする大切な作業です。つなぐわけですね。

具体的には、前回の打ち合わせで話題に出て、次回までの打ち合わせにやっておかなければならなかったことの確認があります。ここで言う「次回」というのは、もちろん今回のことです。それは、自分の側のTo Doだけではなくて、相手側のチェックでもあります。

プロジェクトによっては、すべてのTo Doが全て達成しなければならないわけではなくて、状況に応じて柔軟に考える必要がありますけれど、それでもこれはもうやらなくても良いことだと判断するのが大切です。

意外に大事なのは、打ち合わせの相手にそのまとめや準備資料を送っておくことです。もちろん、これは、情報の取捨選択や、相手との関係もありますから、あまり杓子定規に考える必要はありませんけれど。

多くの場合、お仕事の相手とは、複数回のやりとりを行うことになりますので、うまく連続性を持たせて、仕事をするのは大切ですね。お互いが同じものを見たり、同じ項目を共通認識として前に進むことはとても大切です。全く違うものを見ていて、同じゴールにたどり着くことは難しいからです。

それから、もう一つ大切なこと。相手に送ることを前提にして、準備資料やまとめを作ると、その内容が未来の自分が読んだときによくわかるものになります。未来の自分は他人ですから。

準備資料を用意しておくと、打ち合わせ自体も比較的短い時間で深い話し合いができますので、時間の有効活用につながります。準備資料を作るための時間を自分が使うことになりますけれど、それは打ち合わせの最中に、自分が頭を整理する時間を前倒しで使っているということになるでしょうね。

まとめの書物をしていると、その段階で、また新しいアイディアが湧いてくることはよくあることです。それもちゃんとメモしておくといいですね。ただしそれは、自分が今思いついたことなので、相手は知らない可能性があるということもよく理解しておく必要があります。プロジェクトによりますけど、その辺がごちゃごちゃになると最悪「言った」「言わない」という悲しいトラブルを生むことがあるからです。このトラブルは、コミュニケーションが失敗していることを表す典型的な言い争いです。

以上のように、打ち合わせの前に資料を準備しておくことや、打ち合わせの直後にまとめの書物をしておくことは、仕事を進める上で大変大切なことです。もしも、自分にとって大切な仕事であるならば、打ち合わせの前後のそれらの作業は欠かせないと私は思っています。

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いつも私のつたない話を聞いてくださりありがとうございます。

あなたの今日が素敵な1日になりますように。

2023-08-23 05:21:03 +0900

この文章は、音声入力を利用して結城浩のマストドンに投稿したものです。

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結城浩(ゆうき・ひろし) @hyuki


『数学ガール』作者。 結城メルマガWeb連載を毎週書いてます。 文章書きとプログラミングが好きなクリスチャン。2014年日本数学会出版賞受賞。

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