朝の気分、夜の気分/多様な自己への寛容

朝の気分、夜の気分/多様な自己への寛容

朝の気分と、夜の気分はずいぶん違います。

朝、はやいうちは頭が動かないせいか、一つ一つの作業が丁寧になるように思います。またあちこちに連想が働かないので、1つのことに集中して作業ができるともいえます。ただし、スピードはそんなに速くありません。でも、集中して深くできるので、また成果も残りやすいので、充実感も高いですね。

それに対して昼間から夜にかけてはたくさんのことをあれこれやっているために気が散ることが多いようです。トータルで見れば生産性は高いのかもしれませんけれど、あちこち手がついている割には深められていないような印象があります。

ただ、どちらがいいかと言うのは難しい話で、朝と夜の両方があるから「多様な見方で作業が進む」ため、いいんじゃないかと思わないではないですね。

大事なのはいらだたないことです。例えば朝の時間帯なら「たくさんの作業をこなせない!」といらだつ必要はないし、夕方には「集中できない!」といらだつ必要はありません。

それはいわば「自分の一日の多様性に寛容であれ」ということです。他人の多様性に寛容であるように、自分自身にも寛容であれ、と。

改善が悪いわけではありません。改善すべき点はあるでしょうし、良くないところはやっぱり直さないといけません。でも、改善ばかり考えるあまり、まずいところばかりに目を留めるのはよくありません。そこの見極めを間違うと、自分がどんな活動をしていても、否定的に考えてしまうんじゃないでしょうか。

他者に対する態度と自分自身に対する態度は、意外に呼応しているかもしれない。と、そんなふうに想像することがよくあります。

2024-04-17 16:01:14 +0900

この文章は、音声入力を利用して結城浩のマストドンに投稿したものです。

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結城浩(ゆうき・ひろし) @hyuki


『数学ガール』作者。 結城メルマガWeb連載を毎週書いてます。 文章書きとプログラミングが好きなクリスチャン。2014年日本数学会出版賞受賞。

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