急いでいるのか、焦っているのか

急いでいるのか、焦っているのか

以前から興味を持っていることがあります。それは、睡眠が十分に取れて頭がクリアな状態で作業を進めると、一歩一歩を丁寧に、ゆっくりと進めているにもかかわらず、結果的には早く終わり、しかも品質が高いという点です。

何と比べているかというと、1日が終わり、そろそろ眠りたいなという時間帯に行う作業との比較です。そういう状態では、一歩一歩を丁寧に進めることが難しく、つい急いで慌てて、ガチャガチャと作業を進める感じになります。そのため、ところどころでミスが生じ、成果物の品質もそれほど高くないことがあります。

当たり前のように思えるのは、頭がクリアなほうが品質が高くなるという点ですが、私が面白いと感じているのは、頭がクリアな状態で作業をしているときに限って、落ち着いてゆっくりと進めることができる、というところです。つまり、頭がクリアな状態ではスピードアップしない。それが逆に効率の良さにつながっているのです。

一方、頭がクリアでないときには、むしろスピードアップしたくなる傾向があり、その結果、焦って作業してしまう。これは「急いでいるつもりが、実は焦っているだけ」という状態なのかもしれません。

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2025-06-16 06:52:16 +0900

この文章は、音声入力を利用して結城浩のマストドンに投稿したものです。

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結城浩(ゆうき・ひろし) @hyuki


『数学ガール』作者。 結城メルマガWeb連載を毎週書いてます。 文章書きとプログラミングが好きなクリスチャン。2014年日本数学会出版賞受賞。

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