「砂場」と「宇宙船」

「砂場」と「宇宙船」

コンピューターの中に sandbox というディレクトリを作っておき、そこで一時的な作業を行っています。一時的な作業を行う「砂場」です。ファイルを少しいじったり、プロジェクトとは特に結びついていないテキストを書いたり、試しにちょっとしたプログラムを書いて動かしてみたりするようなときに使うのがこの「砂場」です。

ところで最近、starship (宇宙船)というOSSのプログラムで、コマンドラインのプロンプトにこの砂場に今いくつファイルがあるかを表示するようにしていますが、それが地味に便利ですね。たいていの場合、一時的に作業をした後はその作業が終わったら削除するんですけど、削除専用のコマンドも作ってあるのですが、削除し忘れているときがあります。それは、たとえるなら、おもちゃを「砂場」に出しっぱなしにして、そのまま別の遊びに移ってしまったような状態です。

コマンドラインのプロンプトにいつも sandbox 内のファイル数を表示しておくと、ふと目の端にその数が見えて、「おっとさくじょしなくちゃ」と気づきます。自分で意識して「砂場」を見に行かなくても、自然に目の端に入ってくる。「おもちゃ出しっぱなしだったな」と判断できる。こういうのはほんのちょっとした改善ですが、地味に便利。なかなか悪くありません。

これもまた、インクリメンタルな環境改善の一つと言えるでしょう。

◆インクリメンタルな環境改善|結城浩 / Hiroshi Yuki
https://mm.hyuki.net/m/mf7e840839663

2025-08-01 09:18:52 +0900

この文章は、音声入力を利用して結城浩のマストドンに投稿したものです。

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結城浩(ゆうき・ひろし) @hyuki


『数学ガール』作者。 結城メルマガWeb連載を毎週書いてます。 文章書きとプログラミングが好きなクリスチャン。2014年日本数学会出版賞受賞。

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